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Love adventure
第38章 星の瞬きよりも ①
ほなみは、鋭い印象だった綾波の意外な一面を見て、少しホッとする。
今なら話しかけやすいかも知れない。
思いきって切り出してみた。
「あの……今日、西君と出かけてきます」
「何処に行くんだ」
綾波は口元にパンのカスをくっつけたまま鋭い目を向けた。
「……BEATSのライブです……あぐりが急病なので西君と……」
「BEATSだと?……ちょっと待て」
綾波はスマホを取り出し誰かと話し出した。
普段の無愛想さとはうって変わって営業用の声で話している。
三分程で終わったようでスマホをしまうと、命令口調で言った。
「運転手の送迎で行って来い。関係者スペースを用意したそうだから観覧はそこでしろ。
ライブ前には稲川に挨拶に行けよ、祐樹」
「関係者スペース……て別に要らんよ。普通に見に行けばいいじゃんか」
「絶対にダメだ」
ムッとした表情の西本の手を、ほなみがそっと握る。
「……わかりました。そうします」
綾波は、咳ばらいするとギロリとほなみを見た。
「ところで。お前何か忘れてないか?」
「――え!?」
「報告だよ報告」
あっ!とほなみは口を押さえる。
「何の話しだよ」
西本が後ろからほなみに抱き着いて来た。
「ちょっと、仕事に関する話しだ。ほなみ、こっちへ」
綾波は寝室の方へ歩いて行く。
「呼び捨てすんなよ!」
西本がムキになって口を尖らせると、ほなみはクスリと笑ってしまうが、強い力で彼に手をつかまれドキリとした。
「――気をつけろよ。あいつには」
「えっ……」
「女の好みが俺とカブるんだよ……危険だ……」
「え――っ大丈夫だってば……」
「大丈夫じゃないよ」
グイと抱き寄せられて、触れるだけのキスをされ、心臓が早鐘を打った。
今なら話しかけやすいかも知れない。
思いきって切り出してみた。
「あの……今日、西君と出かけてきます」
「何処に行くんだ」
綾波は口元にパンのカスをくっつけたまま鋭い目を向けた。
「……BEATSのライブです……あぐりが急病なので西君と……」
「BEATSだと?……ちょっと待て」
綾波はスマホを取り出し誰かと話し出した。
普段の無愛想さとはうって変わって営業用の声で話している。
三分程で終わったようでスマホをしまうと、命令口調で言った。
「運転手の送迎で行って来い。関係者スペースを用意したそうだから観覧はそこでしろ。
ライブ前には稲川に挨拶に行けよ、祐樹」
「関係者スペース……て別に要らんよ。普通に見に行けばいいじゃんか」
「絶対にダメだ」
ムッとした表情の西本の手を、ほなみがそっと握る。
「……わかりました。そうします」
綾波は、咳ばらいするとギロリとほなみを見た。
「ところで。お前何か忘れてないか?」
「――え!?」
「報告だよ報告」
あっ!とほなみは口を押さえる。
「何の話しだよ」
西本が後ろからほなみに抱き着いて来た。
「ちょっと、仕事に関する話しだ。ほなみ、こっちへ」
綾波は寝室の方へ歩いて行く。
「呼び捨てすんなよ!」
西本がムキになって口を尖らせると、ほなみはクスリと笑ってしまうが、強い力で彼に手をつかまれドキリとした。
「――気をつけろよ。あいつには」
「えっ……」
「女の好みが俺とカブるんだよ……危険だ……」
「え――っ大丈夫だってば……」
「大丈夫じゃないよ」
グイと抱き寄せられて、触れるだけのキスをされ、心臓が早鐘を打った。