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Love adventure
第40章 星の瞬きよりも ③
ステージ前方から演出の大きな火柱が上がった。テープを握りしめた沢山の手が拳を突き出し、照明に反射して輝いている。
『負けた悔しさ
蹴飛ばした昨日
黒くうずくまる前に
思い切り叫べ
ONE ROCK
ONE ROCK
何処までも響け
心と身体で叫べ
ONE ROCK
ONE ROCK』
稲川は長い長いシャウトを決め、楽器隊は競うように駆け抜けるようなビートをフィナーレに向かって掻き鳴らす。
『俺達がBEATSだ――!お前ら、忘れんなよ――!』
稲川は身体中で叫び、高いジャンプでスピーカーを軽々飛び越し、見事に着地した。
「きゃあ―――!」
「稲さま―――!」
「稲川さん―――!」
「稲川―――っ」
バンドメンバーが次々と、客席に向かって手を振りながら袖に消える。
稲川は残って客と共に拍手していたが、自分が最後の一人になると、極上の笑みと共に会場に向かって投げキッスした。
その表情はスクリーンに大きく映し出され、泣き声の混じった嬌声で辺りが包まれる。
稲川は手を振り、下手へ消えた。
ステージに誰も居なくなっても、客席は、皆まだ熱が冷めないでいる。
誰からともなく手を叩き始めた。
『……コール……アンコール!』
最初は小さな声が、ひとり、またひとり、と拍手とコールが合わさり次第に割れるような拍手になる。
「……すげえな……やっぱり」
西本が頬を上気させていた。
「うん!カッコイイね!」
「……俺も負けられない……」
彼のその瞳は、熱く燃えているように見えた。
『負けた悔しさ
蹴飛ばした昨日
黒くうずくまる前に
思い切り叫べ
ONE ROCK
ONE ROCK
何処までも響け
心と身体で叫べ
ONE ROCK
ONE ROCK』
稲川は長い長いシャウトを決め、楽器隊は競うように駆け抜けるようなビートをフィナーレに向かって掻き鳴らす。
『俺達がBEATSだ――!お前ら、忘れんなよ――!』
稲川は身体中で叫び、高いジャンプでスピーカーを軽々飛び越し、見事に着地した。
「きゃあ―――!」
「稲さま―――!」
「稲川さん―――!」
「稲川―――っ」
バンドメンバーが次々と、客席に向かって手を振りながら袖に消える。
稲川は残って客と共に拍手していたが、自分が最後の一人になると、極上の笑みと共に会場に向かって投げキッスした。
その表情はスクリーンに大きく映し出され、泣き声の混じった嬌声で辺りが包まれる。
稲川は手を振り、下手へ消えた。
ステージに誰も居なくなっても、客席は、皆まだ熱が冷めないでいる。
誰からともなく手を叩き始めた。
『……コール……アンコール!』
最初は小さな声が、ひとり、またひとり、と拍手とコールが合わさり次第に割れるような拍手になる。
「……すげえな……やっぱり」
西本が頬を上気させていた。
「うん!カッコイイね!」
「……俺も負けられない……」
彼のその瞳は、熱く燃えているように見えた。