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Love adventure
第41章 Love meeting ①
女性たちの視線を痛いほどに感じていたあぐりは、野村を睨み付ける。
「もうっ!あなた目立つんだから気を付けてよね!」
「……俺は普通にしてます」
「どこが普通なのよ――!この全身女たらし――!」
「――ええっ?」
あぐりは、無意識に手を繋いだままだった事に気が付いて、慌てて離そうとするが、ガシッと肩を抱かれてしまった。
「ちょっと!調子に乗らないで!言ったよね?あの晩限りの事なんだからっ……」
野村はふふっと笑う。
「俺のせいで、何なんですか?」
「――え」
「さっき何か言いかけたでしょう」
「……っ」
「俺のせいで、何?」
「だから……っ」
「相手が誰でも、俺は怯みませんよ?……例え稲川さんでもね」
「――!」
野村は、マンションのエントランスで片手で大きな紙袋を抱えながら、肩をぐいっと抱き寄せ見つめた。
顔を徐々に近づけ唇が触れそうになったその時――
「ちょ――っと待った!」
あぐりは野村の顎に頭突きをかました。
快心の一撃だったようで、野村は顎を押さえて白目を剥いている。
あぐりはそんな彼に構わず辺りを用心深く見回した。
何か見られているような気配を感じたのだ。
サングラスを僅かにずらし隙間から注意深く何かないか探す。
少し離れた場所に黒いワンボックスが停まっていたが、あぐりがじっと見ていると、走り出した。
「あぐりっ……ちょっと強烈すぎる……」
野村の目には涙が浮かんでいた。
「もうっ!あなた目立つんだから気を付けてよね!」
「……俺は普通にしてます」
「どこが普通なのよ――!この全身女たらし――!」
「――ええっ?」
あぐりは、無意識に手を繋いだままだった事に気が付いて、慌てて離そうとするが、ガシッと肩を抱かれてしまった。
「ちょっと!調子に乗らないで!言ったよね?あの晩限りの事なんだからっ……」
野村はふふっと笑う。
「俺のせいで、何なんですか?」
「――え」
「さっき何か言いかけたでしょう」
「……っ」
「俺のせいで、何?」
「だから……っ」
「相手が誰でも、俺は怯みませんよ?……例え稲川さんでもね」
「――!」
野村は、マンションのエントランスで片手で大きな紙袋を抱えながら、肩をぐいっと抱き寄せ見つめた。
顔を徐々に近づけ唇が触れそうになったその時――
「ちょ――っと待った!」
あぐりは野村の顎に頭突きをかました。
快心の一撃だったようで、野村は顎を押さえて白目を剥いている。
あぐりはそんな彼に構わず辺りを用心深く見回した。
何か見られているような気配を感じたのだ。
サングラスを僅かにずらし隙間から注意深く何かないか探す。
少し離れた場所に黒いワンボックスが停まっていたが、あぐりがじっと見ていると、走り出した。
「あぐりっ……ちょっと強烈すぎる……」
野村の目には涙が浮かんでいた。