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Love adventure
第47章 ウェディング・マーチ
綾波は、ワインを志村のグラスに注ぐと、ほなみに「何を飲む……」
と静かに訊ねた。
「あっ……ウーロンで」
「……折角だから、一杯位飲め……これは口当たりが良いワインだからな」
「えっ……あ、あの」
ほなみがまごまごしていると、綾波は華奢なグラスに慣れた手つきで優雅にワインを注ぎ、ほなみに渡す。
彼の一連の動作から目が離せなくて、綾波と視線が合った途端ほなみは頬を紅くした。
「あ、ありがとうございます……」
綾波は、俯くほなみを見つめていたが、側でニヤニヤ笑う志村に向き直り咳払いする。
「綾波く――ん?ほなみちゃんがお気に入りぽいじゃない?」
ほなみはワインを吹き出しそうになるが、綾波はクールに言った。
「ほなみは、祐樹の恋人です」
志村は知的な目元をキラリと光らせると、ほなみを上から下までまじまじと三十秒位無遠慮に見つめてから、ガバッと抱き着いてきた。
「きゃあっ」
「すんごく可愛いわあ――!ちょっと妬けるけど、あなたなら祐ちゃんをあげてもいいわよ?」
男の性というものは感じられず、同性の人と話している様な感じがする。
テレビで見る印象とは全く違う志村にほなみは驚愕していた。