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Love adventure
第48章  毒が廻って……
 村田はその後三日会社を欠勤した。彼がほなみに近付く事は二度と無かったが、智也は自分の中に突如現れる理不尽な殺意が恐ろしくなった。

 (俺は、ほなみに誰かが近付く度にこうなってしまうのか?)

 身が持たない、と正直思った。
 そして、一つの結論に辿り着いたのだ。

 (ほなみを……妻にしよう……そうすれば……
 法的にも……実質的にも、俺の物に出来る……)

 そして智也は、ほなみにプロポーズした。
 結婚さえすれば、ほなみを独占出来ると思っていた自分の馬鹿さ加減に吐き気を覚える。
 ほなみは、現に、他の男に身体も心も拐われてしまっているではないか――!




『――貴方を愛してる――』

 あの囁きは、やはり嘘だったのか――
 智也は、顔を上げて自嘲的に笑った。
 例え嘘だったとしても、甘い毒に冒され痺れたままで居たかった。

「ほなみ……!」

 西本の手が、ほなみの滑らかな背中に廻されているのを認めると、どす黒い怒りと嫉妬で胃が焼けそうになる。
 奴は、ほなみの唇にどんな風に触れる?
 ほなみは、どんな舌の動きで奴に応える?
 両拳を思い切り打ち付けると白い壁に穴が開いた。

「落ち着け……落ち着け……っ」


 呪文を唱えるように何度も繰り返したが、鼓動は速くなる一方で収まる気配は無い。

 ――写真を見れば、智也さんも刺してやりたい気持ちになります――

 呪いの様にその言葉が頭の中に渦を巻く。

「刺すだけじゃ……足りない……っ」

 春の嵐の様に吹き荒ぶ感情に翻弄され、ほなみを抱きしめようにクッションに顔を埋めた。

「鎮まれ……鎮まれ……っこのままでは、ほなみをメチャクチャにしてしまう……っ」

 ぶつけようの無い怒りと比例するように身体は熱くなり智也の中心は上を向いて硬くなりつつあった。
 ベルトを外し、下着をずらして目を醒ました獣をつかむと、その快感に声を漏らす。


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