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Love adventure
第49章 危険なknight
生々しい傷口に、ほなみの表情が一瞬くしゃりと歪むが、すぐに凛々しく眉を上げ、消毒を始めた。
「今日は祐樹について行かなかったのか」
「私は曲の仕上げをやってましたから。綾波さんの事も気になったし」
「お前がここに来る事、奴は知ってるのか」
「はい」
(――祐樹め。ほなみに近づくなとあれだけ牽制してきたくせに……
怪我人だから滅多な事は出来ないだろうとタカをくくっているのか……)
綾波は、内心西本に毒づきながら、包帯を巻くほなみの白い指の動きに注視していた。
刺されてから意識を取り戻した病室で、ほなみが涙を目に溜めていたのを思い出す。
泣き顔を見るのは初めてでは無かったが、あの時は不覚にも胸が疼いてしまった。
「今日は祐樹について行かなかったのか」
「私は曲の仕上げをやってましたから。綾波さんの事も気になったし」
「お前がここに来る事、奴は知ってるのか」
「はい」
(――祐樹め。ほなみに近づくなとあれだけ牽制してきたくせに……
怪我人だから滅多な事は出来ないだろうとタカをくくっているのか……)
綾波は、内心西本に毒づきながら、包帯を巻くほなみの白い指の動きに注視していた。
刺されてから意識を取り戻した病室で、ほなみが涙を目に溜めていたのを思い出す。
泣き顔を見るのは初めてでは無かったが、あの時は不覚にも胸が疼いてしまった。