この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Love adventure
第52章 if

「もう……綾波さんて脅かせたり……素っ気なかったり……分からない……」
ほなみはスマホをバッグにしましながらひとりごちる。
しかし、綾波の言う通りで、気持ちが決まっているなら、バレても構わない筈なのだ。
ただこの間の、人が変わった様に身体を求めてきた智也の狂った瞳を思い出すと、西君に何かするのではないか、と恐れてしまう。
智也と初めて会ってから二十年以上経つのに、彼が何を考えているのか、心の奥が未だに見えない。
「うう――ん」
西本が伸びをして、起き出した。
ほなみは考えるのを止めて、彼の隣へ行く。
「おはよう……じゃないか。今何時?」
彼は、ほなみの頬を軽くなぜた。
「……九時、だね」
「マジで!?ゴメン!めちゃ寝てたわ!」
「よく眠ってたから……」

