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Love adventure
第6章 秘めておくべき想い
「よかったら皆さんでどうぞ」

 ほなみは、三広に包みを渡す。

「すげー!手作りっぽい!」

 三広が目を輝かせ小躍りすると、亮介も寄って来た。

「おお……ほなみちゃん、ありがとう!……大、お前もちゃんと礼を言えよ?」

 野村はよほど眠いのか、壁にもたれて動かない。
 西本がまた寄ってきて強引に肩を抱き寄せ、ほなみの心臓が跳ね上がった。

「……は、はなして」

 抗議するが、ドキドキし過ぎてつぶやくようにしか声が出ない。
 伝わってくる彼の体温や、繊細な指に肩を抱き締められている感触が、思考回路と脳神経の伝達を狂わせているのだろうか。
 自分の意志で身体を動かすことができない。

「ほなみ」

 名前を呼ばれ頭の中が真っ白になる。

「昨日のチョコ、すっげーうまかった」
「そ、そうですか?良かった」
「良くない」
「えっ?」

 西本は、ほなみの顎をつかみ、顔を近づけて拗ねたように「……大嫌いって言われちゃったしな……」と消え入るようにささやき、ほなみの胸に顔をぽすん、と埋めた。

「きゃっ」
「お――い!祐樹――!セクハラの度が過ぎてるぞ!」

 三広が両手で顔を覆いわめいた。

「そうだそうだ。本当にいい加減にしとけ!ほなみちゃんが怖がってライブに来てくれなくなるぞ!」

 亮介が西本を引っぺがしてくれて、ほなみはようやく自由になる。
 思わず大きく息を吐き出すと、既にチョコレートをもぐもぐ食べていた浜田が突然叫ぶ。

「はっ!?そういえば、これは本命チョコを含むのかい!?」

 その場に居た全員に一斉に注目され、ほなみは逃げ出したくなった。

「俺らの中の推しメンは誰なん?ねえねえ!」

 三広が大きな目を輝かせた。

「……つまり本命チョコは、この中の誰か宛てという事だよね?……俺もそれは聞きたいな」

 亮介が、真剣な眼差しでほなみを見る。



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