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Love adventure
第55章  バースデーパーティー
 勇ましくリズミックな、まるでアニメか戦隊ヒーローものの主題歌みたいな曲だ。
 西本は眉をひそめる。

「……待てよ?……これはまさか」
「なあに?」
「俺が作った曲だ」
「えっ?こんな曲クレッシェンドにあった?」

 あぐりが言った時、
 ステージの三人が一斉に
 「HEY!」
 と叫び、濃いスモークの中から何かが現れた。

「何あれ?」

 白にラメ仕様の派手な、有名なアニメのキャラクターに似た着ぐるみがステージ中央で激しくジャンプをしている。
 ジャンプする度に、腕に付いている簾(のれん)みたいなキラキラした紐がブワッと広がった。
 着ぐるみは激しいヘドバンをメンバーと共に決めて、歌い始めた。

『HEY!GO!HEY!GO!ハリケーン
 俺が 来なくちゃ始まらないぜ
 HEY!GO! HEY!GO!サイクロン
 俺が 噂の“はまじろう”』

 ステージ横に設置された巨大な扇風機から風が送られて、“はまじろう”の布地と簾はバタバタとはためいた。
 よく見ると、胸の辺りには「HAMA」という文字が書いてある。
 綾波はニヤニヤ笑い、西本は頭を抱えていた。

(どこかで聞いたような声……)

 ほなみは、ある人物が思い当たり、首をかしげる。
 着ぐるみの目の下にわずかに穴が空いていて、そこから覗く顔を見て、確信する。

「――は、浜田さんっ」

 ほなみとあぐりは同時に叫んだ。

「ギャハハハハ」

 もう我慢出来ないという風に西本は笑い転げた。

「マジか……浜田さん……頼まれて、デビュー前にテーマソングを作ってやったんだよ俺」
「テーマソング?」
「“嵐を呼ぶはまじろう”のテーマソングだよ……俺に取っては黒歴史だよ……ぷっ」

 着ぐるみとは思えない激しい動きで浜田はステージを駆け回る。

「大丈夫かよ……血管切れるぞ」

 息も絶え絶えに笑いながら西本は浜田のパフォーマンスに手を叩いて喜んでいる。
 長い長い間奏では、見事なバク転を決めて見せた。

「おおおっ」

 見ていた皆が一斉に声を上げた。



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