この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Love adventure
第55章  バースデーパーティー
「ほなみ……?」

 西本は不思議そうな表情で、ほなみを見た。

「……私、私…」

 ほなみは胸がつっかえて、上手く話せない。
 喉の奥がぎゅうと締まり、痛い程だった。

「聞くから……言ってごらん」

 西本は、ほなみの手を握り締め、皆も固唾を飲み見つめている。
 崖から飛び降りるかの様な覚悟を決め、ほなみは言った。 

「西君――私……あなたと結婚……出来ない」
「……なぜ?」

 彼の瞳の奥が、水面に石を投じたかの如く揺れた。

「私にはっ……おっ……夫が居るから……だからっ……」

 しゃくり上げるほなみの手を握る彼の指に力が込められる。
 彼の瞳がまた、ゆらりと色を変えた。

「今のままじゃ……無理なの……だけどっ」
「……」
「私は……私の答えは……イエスしか……ないの!」
「ほなみ――」
「西君と……西君と一緒に居たいの――!」

 涙が溢れた瞬間、彼はほなみを抱き締めた。

「私…っ……私」
「わかった……ほなみ……わかったよ」

 ほなみは、西本の背中に腕を回して咽び泣いた。
 バーンとシンバルを鳴らし、三広が叫ぶ。

「祐樹――!勿論、お前の答えはイエスだよな?」
「お前がビビってほなみちゃんを捨ててみろ――!?
 そしたら、俺がほなみちゃんをお嫁さんにするべく旦那と戦うまでだ――!」

 亮介が演奏しながらジャンプして叫ぶ。

「はあ!?」

 ほなみを抱き締めながら西本が叫ぶ。

「尻込みして諦めるとか、男の風上にも置けないぞ」

 野村が華麗にターンを決めながら攻撃的なフレーズを奏でる。

「祐樹。お前に覚悟がないなら、俺がほなみを貰う」

 綾波が鋭く西本を見すえた。

「綾波っ……お前」
「ほなみちゃーん!僕も付いてるからねー!」

 浜田が着ぐるみの中から叫んでいる。

「にっしもと――!ほなみを捨てたらあんたの悪口をネットにたんまり書き込んでやるからねえぇっ!
 炎上よ!炎上――!」

 あぐりも柄悪く、巻き舌で叫んだ。
 西本は震え出し、やがて爆笑した。

「――全く……お前らは」



/814ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ