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第58章 jealousyの果て

｢綾波――！ほなみは｣

　走って追いかけてきた西本を、いきなり綾波が殴り倒した。
　道端に倒れ込んだ西本の顔を更に殴る。
　西本は倒れたまま、切れた口元を拭い、綾波を燃える目で見あげた。

｢いきなり何だよ！｣

　綾波は西本の襟元を乱暴に掴み立たせ、至近距離で睨みつけた。

｢何故ほなみを独りにした！｣

　綾波の手に握られたピンクのスマホに気がつくと、西本の顔色がさっと変わる。

｢……多分、いや間違いなくこれは智也の仕業だ……俺を襲ったのもやはり奴の差し金に違いない！｣
｢――！｣

　西本の目が大きく開かれる。