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第59章 奪還作戦

　着ぐるみの袖から僅かに出る指で器用にキーを叩いていた浜田は、突然、両手を万歳するように上げて叫んだ。

｢――ヒット！
　きっと、ここだよ！
　ほなみちゃんが居る場所！｣

　綾波は身を乗り出し、画面の赤い点滅を睨む。

｢……ここから近いな……まあ、あの夜ほなみを連れ去って１時間もしないうちに電話をかけて来た訳だから当然か……｣
｢さて、どうする～？｣

　綾波は腕を組み何秒間か思案するが、決意をその目に宿らせた。

｢智也がひとりで外出する隙があるかも知れない。張り込みだな｣
｢おおっ！そーいうの、久々だねえ～ワクワクするよ！｣

　浜田は生き生きと目を輝かせた。