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Love adventure
第59章 奪還作戦

綾波は、明かりが僅かに漏れる西本の部屋をノックした。
「――祐樹、起きているか」
静かにドアを開けると、祐樹はピアノに向かい鍵盤を睨んでいた。
両手を一気に叩きつけ、不安感を醸し出す不協和音が部屋に響く。
その物悲しい音に顔を歪めた祐樹は、大きく肩を上下させるとピアノの蓋を閉じる。
綾波が、開いたドアをもう一度叩くと、祐樹はようやく彼の存在に気がついたらしい。
「……綾波」
「いい加減もう休め。全国ネットの番組に寝不足の顔を晒すのか?」
明日は人気音楽番組”ミュージックスタイル"の収録の予定だ。
クレッシェンドにとっては、西本が怪我をして活動を休止してからの初めてのテレビ出演になる。
「本当なら、ほなみも一緒に出る筈だったよな」
西本はぽつりと呟く。
「そうだな」
「こんな事をしている間に泣いているかも知れない……」
「智也は少なくとも暴力はしないだろう……
別の意味で責められてはいるだろうがな……」
西本は、智也に聞かされた電話口からの悩ましい喘ぎ声を思い出して拳をギュッと固めた。
「――祐樹、起きているか」
静かにドアを開けると、祐樹はピアノに向かい鍵盤を睨んでいた。
両手を一気に叩きつけ、不安感を醸し出す不協和音が部屋に響く。
その物悲しい音に顔を歪めた祐樹は、大きく肩を上下させるとピアノの蓋を閉じる。
綾波が、開いたドアをもう一度叩くと、祐樹はようやく彼の存在に気がついたらしい。
「……綾波」
「いい加減もう休め。全国ネットの番組に寝不足の顔を晒すのか?」
明日は人気音楽番組”ミュージックスタイル"の収録の予定だ。
クレッシェンドにとっては、西本が怪我をして活動を休止してからの初めてのテレビ出演になる。
「本当なら、ほなみも一緒に出る筈だったよな」
西本はぽつりと呟く。
「そうだな」
「こんな事をしている間に泣いているかも知れない……」
「智也は少なくとも暴力はしないだろう……
別の意味で責められてはいるだろうがな……」
西本は、智也に聞かされた電話口からの悩ましい喘ぎ声を思い出して拳をギュッと固めた。

