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Love adventure
第59章 奪還作戦

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綾波がホテルのフロントに立つ姿は、血統書付きの高級な猫が佇むかの様に優雅だ。
時間は午前4時。
ベルを押すが誰も出てこない。
まさか、休憩しながら眠りこけているのだろうか。
何秒間か考えを巡らせたが、フロントを通り抜け「staff only」と書かれたドアを開ける。
案の定、男性スタッフは机に頬杖を突いたままグラグラしながら瞼を閉じていた。
「……まいピーちゃん……もう勘弁して……ムニャ」
綾波は一瞬身構えたが、寝言とわかると肩を竦めた。
「もうしばらく、夢を見ていて貰おうか」
ポケットから薬を染み込ませたハンカチを素早く出して男に嗅がせる。
「……ムニャ……にゃこちゃん……君だけだよ……ぐ――」
幸せそうに鼻の下を伸ばしている男の身体を引きずり、部屋のクローゼットへ押し込んだ。
少し隙間を開けているから窒息はしない筈だ。
薬の効き目は約3時間。
明るくなる前に事を運ばなければならない。
――かなりの高い確率で、いや、間違いなくこのホテルの何処かに、ほなみは居る。
彼女の部屋を突き止め、救い出すのだ。
綾波がホテルのフロントに立つ姿は、血統書付きの高級な猫が佇むかの様に優雅だ。
時間は午前4時。
ベルを押すが誰も出てこない。
まさか、休憩しながら眠りこけているのだろうか。
何秒間か考えを巡らせたが、フロントを通り抜け「staff only」と書かれたドアを開ける。
案の定、男性スタッフは机に頬杖を突いたままグラグラしながら瞼を閉じていた。
「……まいピーちゃん……もう勘弁して……ムニャ」
綾波は一瞬身構えたが、寝言とわかると肩を竦めた。
「もうしばらく、夢を見ていて貰おうか」
ポケットから薬を染み込ませたハンカチを素早く出して男に嗅がせる。
「……ムニャ……にゃこちゃん……君だけだよ……ぐ――」
幸せそうに鼻の下を伸ばしている男の身体を引きずり、部屋のクローゼットへ押し込んだ。
少し隙間を開けているから窒息はしない筈だ。
薬の効き目は約3時間。
明るくなる前に事を運ばなければならない。
――かなりの高い確率で、いや、間違いなくこのホテルの何処かに、ほなみは居る。
彼女の部屋を突き止め、救い出すのだ。

