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Love adventure
第60章 Destiny
「あ、あの……」
「何だ」

 ほなみがおずおずと声を掛けると、ぶっきらぼうな返事が返ってくる。

「助けてくれて……ありがとうございました……」
「――」
「私……綾波さんには助けてもらってばかりで……」

 綾波はまだ背中を向けたままだ。

「私を助けても、西君にも皆にも何の得にもならないのに……どうして?」

 深い溜め息が聞こえる。
 綾波はこめかみを押さえて振り向いた。
 困ったような、優しいような色を浮かべた目をした綾波は、やはり西本と重なる。
 
(けれど彼は西君じゃない。
 つい甘えたくなってしまうけど、それはダメ……)

「お前……超絶鈍いというか……それは天然か?それともわざとなのか?」
「えっ……?」

 ほなみがキョトンとしていると綾波は苦く笑う。

「お前の認識は、俺は度の過ぎたセクハラ野郎ってところなのか?」
「……そんな事」

 ほなみは首を振るが、彼にされた事を思い出すと自然と頬が熱を帯びてしまう。



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