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Love adventure
第60章 Destiny
 綾波が自分に向ける眼差しは、西本が時折ほなみをいとおしげに見詰めるそれと同じ様な気がしていた。

(……思い過ごし?けれど……私は……)

 緊張する様な、何処か甘酸っぱい様な、今の微妙な空気をなんとか変えたい。
 ほなみは何か話題を振ろう顔を上げたが、綾波の深い愁いを含んだ瞳にぶつかり、何も言えなくなってしまった。

「そんな目で見るな……」

 大きな掌が伸びてきて、ほなみの頬に優しく手を添えると、顔が近付いて来て唇が重なった。

「っ……!」

 何秒か重ねられた唇が離れると、目の奥が熱くなり涙が零れた。

「俺に触られるのが、嫌か?」

 綾波は、優しい低い声で囁きながら、ほなみの頭を撫でた。

「っ……」

 ほなみが答えられないでいると、綾波はまた頬に触れて顔を近付ける。

「嫌じゃないなら……止めないからな」

 バクン、とほなみの全身が大きく脈を打った。
 綾波は膝まずいたままの姿勢でほなみの頭を掴み、唇を奪った。
 重ねるだけでは終わらず、舌が割り込まれて咥内を掻き回された。
 熱い息が咥内から入り込み、媚薬のように身体じゅうを駆け巡るような錯覚を起こす。

「んっ……んっ」

 唇が首筋に移動して啄み始めると、ほなみは込み上げる甘い衝動をもてあます。

「だっ……ダメっ……こんな所で……あっ」
「……なんなら他の場所に行くか?」
「違っ……」

(――こんな事はいけない。私が好きなのは西君なのに、綾波さんに触れられるのを拒否しきれない――)

 これまでは綾波が自分から止めてくれたが、今の綾波は止まる気配がない。


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