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Love adventure
第60章 Destiny
「すまん」

 謝りながら、綾波は力を緩めてくれない。

「綾波さ……」
「困らせてはダメなのに……俺も我慢が無い男だな」
「……?」

 綾波は、ようやくほなみを離した。

(やっと息が自由に出来る……)

 ほなみは、思いきり息を吸い込んだがまだ苦しい。

(……ドキドキして苦しい)

 綾波はバックルが嵌められたほなみの手首を掴むと、小さく、しかしキッパリと言った。










「お前が好きだ」
「……!」
「こんな時に……かも知れんが、こんな時だからこそ言う」
「綾波さ……っ?」
「フラフラしていてもいい……気持ちがよろけたら俺に掴まれ」

 全身が心臓になったような鼓動が止められない。

(――私は今どんな顔をしているのだろう?)

 綾波は西本によく似た、けれど彼には無い影のある瞳で見つめ、ほなみの髪をひと束掴み、口付けた。



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