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Love adventure
第61章 ミュージックスタイル
(ほなみは、打ち明けた後に俺が面倒がって離れて行くんじゃないか、と悩んでいたのかも知れない……)

 西本は思わず唇を噛む。

(もっと早くに、打ち明けて欲しかった。
 そうしたら、こんな事態にはならなかったかも知れない――)

 いや、「もしも」や「たられば」など無い。
 多分こうなるしかなかった。
 Callingの楽屋で初めて会ったあの時から、決まっていたのだ――

(俺はほなみに心を奪われるしかなかった……)

 アイドルグループの演奏が終わろうとしていた。
 CMが入り、クレッシェンドの出番という事になっている。
 西本の手を、横から三広がそっと叩いた。
 心配そうな表情で見ている。

「……最高のドラムを頼むぜ?リーダー」

 西本が言うと、三広は満面の笑みで頷いた。

(――大丈夫。きっと綾波と浜田さんが救出している筈だ。
 俺は今、精一杯の歌とピアノを演奏するしかない。
 ほなみと作った、あの曲を……)



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