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Love adventure
第61章 ミュージックスタイル
「ヤモリさん……お願いが」

 ヤモリはトレードマークのサングラス越しに西本を見た。

「うん?」
「演奏する前に、2分程時間をくれませんか」
「えっ?」

 最初は怪訝な反応をしたヤモリだが、西本の真剣な表情に頷いた。

「わかったよ。スタッフにも今伝えてくるから……そのかわり、最高の演奏をしてね!」
「はい。ありがとうございます!」

 西本は深々と頭を下げた。

「あと20秒で本番で――す!皆さんスタンバイお願いします!」

 カウントダウンが始まり、三広がメンバー全員に呼び掛けた。
 輪になり、拳を固めた片腕を全員が真ん中に尽き出す。

「史上最高の演奏をしよう!」

 根本が凛とした声で言うと、全員が「おー!」と声をあげた。
 西本の瞳は、ひときわ強く輝いていた。



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