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Love adventure
第61章 ミュージックスタイル

ーーまた何かされる?
思わず目を瞑ると、唇にくすぐったい感触をおぼえる。
「……?」
薄目を開けると、綾波が真剣な表情で口紅を塗っていた。
至近距離に長い睫毛があり、ほなみは見とれてしまった。
「ちょっと赤すぎるな」
綾波は呟き、チュッと音を立ててほなみの唇を啄む。
ほなみの全身の体温が急上昇してしまった。
「綾波……さんっ」
「これで丁度いい色になった」
綾波は、優美な笑みを浮かべているが、ほなみは真っ赤になり怒る。
「も、もうっ……困りますっ!」
「困ってるか?……俺にとってはいい傾向だな」
「!」
頭のフード部分を軽く被せられ、頭をポンと叩かれた。
「さて……いつまでもじゃれている訳にはいかん。そろそろ行くぞ。今日は浜田さんとアクションがあるからな」
「あ、アクション?」
「浜田さんに任せていれば大丈夫だ」
「ぶっつけ本番でですか!?」
「クレッシェンドの演奏の大サビからお前と浜田さんの出番だ。頑張れよ」
「頑張れよって……簡単に」
「大丈夫だから」
おでこをコツンとぶつけられ、頬を撫でられてドキドキする。
テレビの緊張なのか、綾波にドキドキしているのか、もはや訳がわからないほなみだった。

