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Love adventure
第61章 ミュージックスタイル
 メンバーは皆、濃紺のスーツで決めていた。
 西本はスーツに縦ストライプのシャツを合わせていて、良く似合っている。
 ほなみは、単なるいちファンの様にドキドキしていた。

「CM90秒入りま――す」
 
 スタッフが叫んだ。
 何気なく観覧席の方を見ると、あぐりが跳び跳ねてこちらに手を振っている。
 彼女は涙ぐんでいるように見えた。
 きっと、心配してくれていたのだろう。
 ほなみも泣きそうになりながら、手を振り返した。
 クレッシェンドのメンバーはセットでスタンバイし、スタッフやヤモリと何か話している。
 真剣な鋭い目の西本に、ミュージシャンとしての色気を感じ、ほなみはぼうっと見つめてしまった。
 不意に、頭のフードを綾波にグイッと取られる。

「――!?」

 綾波はまた額を付けてきて囁いた。

「俺も、そんな熱い目で見つめて貰いたいものだな……」
「あ、綾波さんったら!」

 ドギマギして離れようとするが、綾波は楽しそうに微笑してほなみを離さない。

「もう、祐樹に遠慮はしないと決めた」
「そ、そんな……」

 そんなふたりをよそに、浜田はウキウキと準備体操をしていた。


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