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Love adventure
第8章 冷たい雪、熱い吐息
 西本は、ほなみをまっ直ぐに見て、きっぱりと言う。

「今日のライブは良い出来だったねって話をしてただけだよ」
「……別になんでもいいです。私に関係ないし」
「ほなみ」
「気安く呼ばないで!迷惑なの!」

 いつの間にか涙が溢れ、頬を伝っている事にほなみは慌てる。
 西本が、ほなみの頬を指で拭った。

「さっき言った事は、本気なんだ」
「それが迷惑なの!貴方なんか嫌い!大嫌い……」

 自分の意思とはうらはらに涙が次から次へと溢れて止まらない。
 西本はふっと笑って、ほなみの頬を撫でる。

「勝手にヤキモチ妬いたくせに……そんな言葉、信じないよ」
「本当に嫌いよ……」
「俺がヤキモチ妬いてたのに、今度は妬かれるとは思わなかったな」

 西本は、ほなみの髪をくしゃくしゃにしてキラキラした笑顔を見せた。
 ほなみは、胸が苦しくて堪らなくなり、無理矢理彼から逃れ、また歩き出した。

「ほなみ」
「ついて来ないで!」

 ほなみはずんずん歩き、直ぐにマンションの目の前に着いてしまう。
 西本が、エントランスから最上階を見上げた。

「……すごい所に住んでるな」
「さようなら」

 ほなみは、冷たく告げてエントランスを登る。

「行くなよ」

 鋭く、熱い声色で呼び止められた。

「俺、ほなみが思ってるように、女の子が大好きで遊んできた。だけど……会ったばかりだけど、ほなみに夢中なんだよ……本当なんだ」

 ほなみは立ち止まり、背中で彼の声を聞いた。

「ほなみも、俺が好きなんだろう?だから、ヤキモチ妬いてこんな風に」
「自惚れないでっ!どの女も思い通りになるなんて、大間違いよ!大嫌い!」
「ほなみっ!」

 ロックを素早く解除し、自動ドアから中へ入ると、ふたりの間でドアが閉まった。
 振り返らずエレベーターに乗り込み最上階で降りて、自分の部屋へと入る。
 しん、とした無人の部屋はすっかり冷えきっていた。
 エアコンを付け、パソコンを開くと、あぐりからメールが来ていた。



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