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Love adventure
第64章 夜明けの空は切ない色

「俺の誕生日だったんだ……ケーキを作って届けに来てくれたんだが、久々に顔を合わせてお互い気まずくてな」
いつの間にか、綾波の手がほなみの背中を撫でていた。
「悪天候で電車が止まって、あの人が『帰れない』て途方に暮れて……
俺が『ここに泊まるといいだろう』て言ったら、困って泣き出して……
俺より随分年上の女なのに……本気で狼狽えてるのが可愛くて仕方なくてな……」
綾波の目の中に、見た事の無い優しい色が滲む。
「――それで?」
ほなみは、食い入るように彼を見つめ、続きを急かす。
「……あの人を無理矢理抱いた……
あの人は泣いたよ。
けれどどうしても抑えられなかった……」
「――」
「あれで完全に嫌われただろうな」
「……違うと思います」
「?」
「本当に嫌だったなら……そんな事があった後、この家の手入れに来ないと思います。
……綾波さんの為にしている事ですよね?いつでもここで綾波さんが寛げるように……
お母様は、綾波さんの気持ちには応えられないけど……きっと、綾波さんを大切に思っている筈です……」
綾波は目を見開き、ほなみを見ていた。
いつの間にか、綾波の手がほなみの背中を撫でていた。
「悪天候で電車が止まって、あの人が『帰れない』て途方に暮れて……
俺が『ここに泊まるといいだろう』て言ったら、困って泣き出して……
俺より随分年上の女なのに……本気で狼狽えてるのが可愛くて仕方なくてな……」
綾波の目の中に、見た事の無い優しい色が滲む。
「――それで?」
ほなみは、食い入るように彼を見つめ、続きを急かす。
「……あの人を無理矢理抱いた……
あの人は泣いたよ。
けれどどうしても抑えられなかった……」
「――」
「あれで完全に嫌われただろうな」
「……違うと思います」
「?」
「本当に嫌だったなら……そんな事があった後、この家の手入れに来ないと思います。
……綾波さんの為にしている事ですよね?いつでもここで綾波さんが寛げるように……
お母様は、綾波さんの気持ちには応えられないけど……きっと、綾波さんを大切に思っている筈です……」
綾波は目を見開き、ほなみを見ていた。

