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Love adventure
第69章 Marry Me④

三つ目の駅で降り、西本のマンションへ向かった。
泣いたせいで目の回りが腫れぼったい。
手鏡を出して顔の状態をチェックしていたら、鏡にヌッと野村の顔が映り込んでギョッとする。
もうマンションまでは目と鼻の先の距離だった。
野村は上着に手を突っ込んだまま首を傾げて笑う。
「おはよう」
「な……なんでいるの?こんな早くから」
あぐりは、赤くなった目を隠すように俯いた。
「散歩だよ」
「ええーーっ?」
疑り深く言うあぐりを見て、彼は小さく舌を出す。
「なんて嘘。会いたかったから。この辺に居れば会えそうな気がしたんだ」
「私が来なかったらどうしたのよ!?」
「うん。そうだね」
彼の優しい笑みに、あぐりは緩んだ涙腺から水分が溢れそうになるのを必死で我慢する。

