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Love adventure
第70章 エンゲージ

「奴に――何か言われただろ」
真っ直ぐな瞳は、何もかもを見透かすかの様だ。
「――!」
「言えよ」
「西く……んっ……」
ほなみは腕を掴まれ、首筋にキスをされて甘く溜め息を吐いた。
「……奴に心が揺れたのか?」
ほなみの心臓が跳ねる。
「――答えて」
「……」
「ほなみの本当の気持ち……言えよ」
彼の瞳が揺れていた。
「……私……私は」
「……うん」
「綾波さん……に、告白されたわ」
見開かれた彼の瞳の中、暗い焔が燃え盛る。
「――あいつっ……!」
いきり立つ彼にほなみが抱き着き、その唇にキスした。
彼の強ばった身体の力が抜け、その腕が柔らかく彼女を包む。
「ほなみ……俺は」
「私は……貴方が好きなの……」
「……っ」
「綾波さんは嫌いじゃない……けど……
本当に愛してるのは西君だけだから……っ……だから……」
胸の奥が熱くて堪らなくて、ほなみは耐えきれずに涙を溢れさせた。
「――私を捕まえて……今すぐに!」
そう叫んだ時には全身の力を込めて抱きしめられていた。

