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Love adventure
第70章 エンゲージ

「……捕まえたら、逃がさないよ?いいの?」
彼の甘い声が、鼓膜まで蕩けさせる。
「逃がさないで――!」
「ほなみ……!」
一層強く抱きしめられ、苦しかったが、とても心地が良かった。
「――ちょっと、目を瞑って」
「え?」
彼の真剣な瞳がキラリと光る。
「いいから、瞑ってじっとして」
ほなみが何事かとドキドキ胸を鳴らし目を瞑ると、硬い何かを握らされた。
「――はい、もういいよ?」
掌に、小さな銀色の箱が納まっていた。
その形と小ささに、ほなみは入っている物を予感して胸をときめかせる。
優しく輝く彼の瞳が、
「開けてごらん」と無言で促している。
ほなみは震える指で箱を開けた――。

