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Love adventure
第71章 対決前夜~智也

いつもなら、用務員の中野に細々した事を頼むのだが、どうしたのだろう?とカナは思っていた。
ここ何週間か、中野は休んでいて会社には来ていない。
(それにしても、この間ほなみさんがマカロンをお土産に会社に来た時には、まさかこんな事になるとは思わなかった……
特に変わった様子はないように見えたけど、あの頃から、いや、ひょっとしたらもっと前からおふたりの仲は――?)
「――東野さん?箸が進んでないけど、フレンチとかのほうが良かったかな?」
カナは自分が箸を持ったままぼうっと智也を見ていた事に気付き、慌てて煮物を掻き込んだ。
「いえいえそんなことはありませんっ!カナは何でも食べま……ぐふっごほっ」
噎せて目を白黒させるカナの後ろに回り込むと、智也は手でトントンと背中を叩いた。
「随分とお腹が空いてるみたいだね……ふふ……
慌てなくても、ゆっくり食べればいいよ?」
低い声で笑われて、カナはまた動揺する。

