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Love adventure
第76章 決意表明

「この間テレビを見て思ったが……
奴は、相当な自信家なのか恐れ知らずなのか……
それとも馬鹿なのか?」
智也は辛辣な言葉を口にするが、その表情は笑っていた。
ほなみもつられて口元を緩ませる。
「そうだね……全部当てはまるのかも知れない……ふふ」
「まあ、俺もそうやって世間に言われるのかも知れないな……」
「――?」
「さて、そろそろ時間だ」
ドアに手を掛ける智也にほなみは訊ねた。
「あの……中野さんは……大丈夫なの?怪我してない?」
智也は、顔を険しくした。
「突然辞表を出して、それから来ていない……」
「えっ!?」
「連絡もつかないんだ。
一体何処に行ったのか……」
「中野さんて、ご家族も居ないよね……確か」
「ああ……だから連絡しようがない……」
その時ほなみは、ドアの向こうから話し声がするのに気付いた。
智也もわかったようで、ふたりは目を見合わせ、耳をそばだてる。

