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Love adventure
第78章 急転
「おい……そこの変な奴……お前っ!さっきから何をしている!」

 中野は怒鳴り声に苛立ちを滲ませた。
 はまじろうは、すっとぼけた様に耳を中野に向け、
 「よく聞こえない」風なポーズをして、中野が激昂する。
 「――ふざけるな!」

 綾波が中腰でソロソロと中野の背後に回った。
 野村や亮介、三広も這って後に続き、大きな観葉植物の影や壺の影に隠れる。
 中野の正面の智也からもその動きは見えていたが、ポーカーフェイスを装い悟られないように努めていた。
 緊迫の中、はまじろうはピョコンと跳ねて踊っている。

「お前も殺されたいのか――!」

 中野の怒声に西本の後ろに居るほなみは身を縮めた。
 はまじろうは、尚もその場に似つかわしくない陽気な踊りを披露している。

「……不愉快だ……実に不愉快だ……っ」

 中野は顔を真っ赤に染め、唇を震わせた。

「不愉快じゃなくて愉快なんだよ――ん!」

 浜田はすっとんきょうな声で叫ぶと、着ぐるみのポケットからサッと紐を出す。
 紐は素早く中野の手を打ち、拳銃が落ちた。

「――もらったあ!」

 綾波がスライディングして銃を蹴り、転がった銃を智也が拾い上げた。

「――やったあ!」
「流石浜田さん!」
「綾ちゃんグッジョブ!」

 亮介、野村、三広が万歳して喜び、記者達からも拍手が起きた。





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