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Love adventure
第83章 Love adventure
あぐりは、照明室から会場のお祭り騒ぎを呆れて眺めていた。
「はあ……皆ノリが良いというか……幸せそうね……ふふ」
呟いた時、ドアがバタンと音を立て開けられる。
振り返ると、息を乱した野村が立っていて、あぐりは目を見開いた。
「――野村く」
何かを言うより早く、力強い腕が彼女を掴まえ、唇を塞いだ。
「ん……んっ!」
あぐりは、目を白黒させながらその広い胸を叩くが、野村の手が優しく髪を掻き抱き、更に熱烈に口付けをすると、その手の力は弱まり、いつの間にか背中に腕を廻していた。
開け放されたドアの向こうで、稲川が、口付けあい、抱き合うふたりを見つめて居ると、後ろから小さな手が抱き締める。
振り返ると、粒羅な幼い瞳がそこにあった。
「パパ――かっこよかったよ?」
稲川は身を屈め、いたいけな、愛しい分身を抱き締めた――