この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Love adventure
第14章 夫の帰国①
――何故、クレッシェンドのメンバーがこんな所に居るの?
西君が大変な時なのに。
……もしかしたら私との事が知れているのかも。私のせいで西君が右手を怪我したのも――
ほなみは、思わず唇を噛んだ。
「……元気だった?」
三広が少し首を傾げた時、前髪がさらっと揺れて形の良い額と眉が一瞬顕れる。
ほなみが触ってみると、彼は目を大きく見開いて固まった。
「この間西君とぶつかったところ、もう痛まない?」
あの時、髪の生え際辺りが切れて血が滲んでいたような気がするが、もう瘡蓋になっている。
「ここ、いじったらダメだからね?」
彼は、顔を何故か真っ赤にして黙り込み目を逸らした。
「三広君?」
声を掛けると、こちらを向いたが、目を合わせたかと思うと又、物凄い勢いでそっぽを向く。
「気分でも悪い……?」
ほなみは彼の顔を覗きこむ。
「うわーっ!」
彼は耳まで真っ赤になって叫んだ。
「……て……ゴメン……心配してくれたのに……これはつまり、その、えっと……」
目を丸くするほなみに、三広がオドオドと釈明していると、バタバタと賑やかな足音が聞こえてくる。
振り向くと、長い足で軽やかに走る亮介、その後ろには、ハアハアしながら付いて来る浜田の姿があった。
「ほなみちゃん。ちょっと久しぶりだね。三広が驚かしてごめんね?」
亮介は爽やかに笑いかけると三広の首を片手でしめた。
「み、つ、ひ、ろ!何やってんだお前!端から見たら不審者だぞ?」
「ぐえっ」
三広は白目を剥いている。
ほなみはハラハラしたが、亮介は『全く問題ない』と言いたげな表情で、こめかみを
『ぐりぐり』やり始め、三広は悲鳴を上げる。
浜田はゼイゼイ息を切らしながら眼鏡を取り額の汗を拭った。
ほなみがハンカチを差し出すと、笑顔で受け取った。
「ありがとう!ほなみちゃん、会えてよかったよ!『散歩で通りかかるかな?』
て思って気にしてたんだけどね。
あの日は無理に手伝い頼んで悪かったねえ。これ、少しだけどバイト賃だよ!」
西君が大変な時なのに。
……もしかしたら私との事が知れているのかも。私のせいで西君が右手を怪我したのも――
ほなみは、思わず唇を噛んだ。
「……元気だった?」
三広が少し首を傾げた時、前髪がさらっと揺れて形の良い額と眉が一瞬顕れる。
ほなみが触ってみると、彼は目を大きく見開いて固まった。
「この間西君とぶつかったところ、もう痛まない?」
あの時、髪の生え際辺りが切れて血が滲んでいたような気がするが、もう瘡蓋になっている。
「ここ、いじったらダメだからね?」
彼は、顔を何故か真っ赤にして黙り込み目を逸らした。
「三広君?」
声を掛けると、こちらを向いたが、目を合わせたかと思うと又、物凄い勢いでそっぽを向く。
「気分でも悪い……?」
ほなみは彼の顔を覗きこむ。
「うわーっ!」
彼は耳まで真っ赤になって叫んだ。
「……て……ゴメン……心配してくれたのに……これはつまり、その、えっと……」
目を丸くするほなみに、三広がオドオドと釈明していると、バタバタと賑やかな足音が聞こえてくる。
振り向くと、長い足で軽やかに走る亮介、その後ろには、ハアハアしながら付いて来る浜田の姿があった。
「ほなみちゃん。ちょっと久しぶりだね。三広が驚かしてごめんね?」
亮介は爽やかに笑いかけると三広の首を片手でしめた。
「み、つ、ひ、ろ!何やってんだお前!端から見たら不審者だぞ?」
「ぐえっ」
三広は白目を剥いている。
ほなみはハラハラしたが、亮介は『全く問題ない』と言いたげな表情で、こめかみを
『ぐりぐり』やり始め、三広は悲鳴を上げる。
浜田はゼイゼイ息を切らしながら眼鏡を取り額の汗を拭った。
ほなみがハンカチを差し出すと、笑顔で受け取った。
「ありがとう!ほなみちゃん、会えてよかったよ!『散歩で通りかかるかな?』
て思って気にしてたんだけどね。
あの日は無理に手伝い頼んで悪かったねえ。これ、少しだけどバイト賃だよ!」