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ジェミニの檻
第10章 流星

静かにドアノブを回すと、リビングで雑魚寝状態だった。
そこには佳織を始め女の子もいて…六花は思わずドアを閉めた。
志貴の姿は確認していない。
澄んだ空気の中を幾ら歩いても、もやもやとした霧は払い切れない。
「迷子か?」
その声に振り返ると、確かに志貴が立っていた。
「な、んで…?」
「煩くて眠れないから、車貸してもらったんだよ、腹減って起きたら、まだ皆んな寝てるし…管理事務所に出張パン屋が来てたから買ってきた」
紙の袋を見せられた途端、六花のお腹が鳴った。
志貴はふっと鼻で嗤うと湖のほとりまで足を伸ばした。
キラキラと朝陽を反射する湖面。
さっきまでもやもやがすうっと消えていた。
「美味しいっ!」
「地元でも有名なパン屋らしいからな」
甘くとろりとしたクリームパンを頬張りながら、何を話す訳でもなくただ並んで時間を過ごす。
隣に志貴を感じて。
大学生らはレポートに手をつけながら、ああでもないこうでもないと真面目に話し合っていた。
志貴はそれを興味深く耳を傾けていた。
えれなと六花は湖畔にボートを漕ぎだしたり、サイクリングを借りて森を走った。
そこには佳織を始め女の子もいて…六花は思わずドアを閉めた。
志貴の姿は確認していない。
澄んだ空気の中を幾ら歩いても、もやもやとした霧は払い切れない。
「迷子か?」
その声に振り返ると、確かに志貴が立っていた。
「な、んで…?」
「煩くて眠れないから、車貸してもらったんだよ、腹減って起きたら、まだ皆んな寝てるし…管理事務所に出張パン屋が来てたから買ってきた」
紙の袋を見せられた途端、六花のお腹が鳴った。
志貴はふっと鼻で嗤うと湖のほとりまで足を伸ばした。
キラキラと朝陽を反射する湖面。
さっきまでもやもやがすうっと消えていた。
「美味しいっ!」
「地元でも有名なパン屋らしいからな」
甘くとろりとしたクリームパンを頬張りながら、何を話す訳でもなくただ並んで時間を過ごす。
隣に志貴を感じて。
大学生らはレポートに手をつけながら、ああでもないこうでもないと真面目に話し合っていた。
志貴はそれを興味深く耳を傾けていた。
えれなと六花は湖畔にボートを漕ぎだしたり、サイクリングを借りて森を走った。

