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ジェミニの檻
第10章 流星

「えー?もう寝ちゃうの?」
宗治にあからさまに引き留められるえれな。
「女子会ですから、邪魔しないでくださいね!」
ぴしゃりと宗治を跳ね除けて、女子専用のロッジへと出て行く。
ドアを閉める間際、志貴は佳織と歓談したまま目が合うことはなかった。
「最近、由岐とはどう?」
シャワーを浴びたあと、作り付けのベッドに転がると前触れもなくえれなが尋ねた。
「うん、前より、いいかな…」
「いい、かな?」
「いいよ」
慌てて取り繕うが、志貴と佳織の姿が頭の中から消えない。
「じゃあ、二学期の文化祭には由岐のこと呼べるね!」
「うん、その予定」
「はー上手くいってるなら、安心した」
「えれなこそ、宗治さん呼ばないの?」
「呼ぶわけないじゃん」
即答のえれなに苦笑いを浮かべるしかなかった。
翌朝、六花は着替えなどをすませると、静まり返った外を散歩した。
昨夜は話し込んでいて、最後に時計を見たのは2時を回っていた。
それでも窓から見えた男子用のロッジは灯りが灯ったままだった。

