この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ジェミニの檻
第15章 rouge

雨に洗われた空は西陽に焼かれて赤く燃えていた。
すうすうと寝息を立てる六花の寝顔が自分の腕の中にあるという事実。
時計は5時を指そうとしている。
由岐が遠征からもう戻ってくる筈で、その前に帰さないといけないという思いと、このまま閉じ込めておきたい気持ちに揺れる。
六花と初めてあったのは入学してすぐの図書館だった。
天体関係の本の貸出カードの殆どに六花の名前が載っていた。
興味はイメージを膨らませ、図書委員としてカウンターに座っていた六花と対面した時にはイメージにそう遠くない女の子だった。
静かに図書館に溶け込む六花に会いたくて、勉強の場を家から図書館に変えた。
会話らしい会話も無く、誰とも平等な対応に悶々とした。
六花はきっと覚えていない。
科学の本棚の前で雪の結晶のことを六花と呼ぶことがあるのだと。
そして北極星のことを六花に例えることがあるのだと。
天体観測に行ったあの日、北極星を指したのに見つけられなかった六花にやきもきした。
ハンカチを拾ったあの日。
想いが抑えきれずにキスをした。
頬を染めて見つめ返した六花の表情に、何処までも堕ちていく気がしていた。
すうすうと寝息を立てる六花の寝顔が自分の腕の中にあるという事実。
時計は5時を指そうとしている。
由岐が遠征からもう戻ってくる筈で、その前に帰さないといけないという思いと、このまま閉じ込めておきたい気持ちに揺れる。
六花と初めてあったのは入学してすぐの図書館だった。
天体関係の本の貸出カードの殆どに六花の名前が載っていた。
興味はイメージを膨らませ、図書委員としてカウンターに座っていた六花と対面した時にはイメージにそう遠くない女の子だった。
静かに図書館に溶け込む六花に会いたくて、勉強の場を家から図書館に変えた。
会話らしい会話も無く、誰とも平等な対応に悶々とした。
六花はきっと覚えていない。
科学の本棚の前で雪の結晶のことを六花と呼ぶことがあるのだと。
そして北極星のことを六花に例えることがあるのだと。
天体観測に行ったあの日、北極星を指したのに見つけられなかった六花にやきもきした。
ハンカチを拾ったあの日。
想いが抑えきれずにキスをした。
頬を染めて見つめ返した六花の表情に、何処までも堕ちていく気がしていた。

