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ジェミニの檻
第1章 ふたつのくちづけ

初めて彼を見たのは去年の事。
「六花、バレーボールの試合見に行かない?同中の子が1年なのにレギュラー入りしたらしいの」
聞いてみればこの辺りではスポーツ特待で有名な明応学園のバレーボール部の試合らしい。
バレーボールにさほど興味はないけれど、高校に入学して以来の親友の頼みとあればそれは断る理由にはならなかった。
県で一番大きな体育館の最寄り駅。
待ち合わせはそこの入り口。
腕時計は規則正しく約束の時間を通り超していく。
駆け下りて行く入り口への階段で肩をぶつけて、派手にカバンをひっくり返した。
「きゃ…ご、ごめんなさいっ!」
スマホにポーチ、お財布をカバンに戻しながら視線を上げると知的なメガネの奥の瞳と目が合った。
「怪我、ないですか?すみません、急いでるんで」
ぺこっと頭を下げて走り出す。
彼の手には落とし主に戻る事のないハンカチが握られていた。
「六花、バレーボールの試合見に行かない?同中の子が1年なのにレギュラー入りしたらしいの」
聞いてみればこの辺りではスポーツ特待で有名な明応学園のバレーボール部の試合らしい。
バレーボールにさほど興味はないけれど、高校に入学して以来の親友の頼みとあればそれは断る理由にはならなかった。
県で一番大きな体育館の最寄り駅。
待ち合わせはそこの入り口。
腕時計は規則正しく約束の時間を通り超していく。
駆け下りて行く入り口への階段で肩をぶつけて、派手にカバンをひっくり返した。
「きゃ…ご、ごめんなさいっ!」
スマホにポーチ、お財布をカバンに戻しながら視線を上げると知的なメガネの奥の瞳と目が合った。
「怪我、ないですか?すみません、急いでるんで」
ぺこっと頭を下げて走り出す。
彼の手には落とし主に戻る事のないハンカチが握られていた。

