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ジェミニの檻
第8章 endgate
''花火のお詫びに映画に行こう''

由岐から来たメールに、六花は新しいワンピースを下ろした。

梅雨独特の湿った空気、しとしとと降る雨。

モール併設のシネコンで、由岐のおごりの映画を見る。

ポップコーンとジュースを片手に久しぶりのデートを楽しんだ。

「六花、夏休みさ、プール行こうよ!」

「え?いいの?」

「うん、試合はお盆で終わりだし、後半は大丈夫!」

二人で水着売り場を覗いた。

「ビキニ姿が見たい!」

由岐が勧めてきたのは、花がいっぱいついたビタミンカラーのビキニ。

「似合うかなあ?」

当ててみると、由岐はうんうんと頷いた。

「あれ?由岐?」

「由岐じゃん!」

振り返るとそこには渉と梢、そして部活のメンバーが立っていた。

「デート中かよ〜」

冷やかされながらも由岐は和気藹々と輪に入る。

「そっちは何してんの?」

「合宿の下見」

「まじで?誘えよ!」

「ほらー!ね?じゃあこれから一緒にどう?」

梢がちらりと六花を見る。
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