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ジェミニの檻
第9章 distanse

「…けうち…池内!」
「!は、はいっ!」
「もう頭の中は夏休みモードか?」
「すいません…」
歴史の教科書を当て所なく捲った。
「大丈夫?」
えれなが心配そうに覗き込むお昼休み。
志貴との事は誰にも言えない。
「ん…ちょっと寝不足」
「由岐のこと?今日会うんでしょ?言いたいことは言った方がいいよ」
「うん、そうする、ありがと」
お弁当を空にして、教室へと戻る。
中庭にふと視線を移すと、自販機の陰で女の子が男の子に詰め寄っているのが見えた。
「志貴じゃん、はー、また告られてるわ」
「''また''?」
「月2ぐらいで告られてるんじゃない?電車で他校の子に呼び止められたりしてるし…それが嫌で早い電車にしてるらしいよ?特進は朝学もあるしね」
「付き合わな、い…のかな…」
「好きな子がいるの一点張りらしいよ、具体的には言わないらしいけど」
好きな子がいる…六花が由岐の身代わりとしてるなら、志貴も六花をその子の身代わりにしていたのかもしれない。
「!は、はいっ!」
「もう頭の中は夏休みモードか?」
「すいません…」
歴史の教科書を当て所なく捲った。
「大丈夫?」
えれなが心配そうに覗き込むお昼休み。
志貴との事は誰にも言えない。
「ん…ちょっと寝不足」
「由岐のこと?今日会うんでしょ?言いたいことは言った方がいいよ」
「うん、そうする、ありがと」
お弁当を空にして、教室へと戻る。
中庭にふと視線を移すと、自販機の陰で女の子が男の子に詰め寄っているのが見えた。
「志貴じゃん、はー、また告られてるわ」
「''また''?」
「月2ぐらいで告られてるんじゃない?電車で他校の子に呼び止められたりしてるし…それが嫌で早い電車にしてるらしいよ?特進は朝学もあるしね」
「付き合わな、い…のかな…」
「好きな子がいるの一点張りらしいよ、具体的には言わないらしいけど」
好きな子がいる…六花が由岐の身代わりとしてるなら、志貴も六花をその子の身代わりにしていたのかもしれない。

