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奴隷 裕美子
第2章 出会い

「わたし、男の人を好きになると、もうその人のことが全部で、自分なんてどうでも良くなっちゃうの」

何度目かの食事のとき、アルコールにも少し酔ったのか、裕美子はそんなことを俺に言った。思えばそれが、俺が裕美子を奴隷として見始めるきっかけだったかもしれない。膝上丈のスカートから伸びて組まれた色白の足。ほんのり赤く染まった頬・・・。普段、誰に対しても決して隙を見せない裕美子だが、俺と二人だけの時は明らかに様子が違ってきている。さっきのような、自分の弱いところをさらすようなセリフを裕美子が年下の男に吐いている場面など、誰一人想像できる者はいないだろう。

それから俺と裕美子が肌を合わせるようになるまで、さほど時間はかからなかった。

「誰にも内緒よ。二人だけの秘密」

最初のとき、裕美子はホテルのベッドの上でそう言った。

「さあ、どうするかな。むしろ皆に教えてやろうか。山咲裕美子29歳は、実は年下の男に、こんなふうにはにかんで甘える女だって」

「・・・意地悪・・」

裕美子は羞恥に裸身を震わせて目をそらす。その頃には、俺の中では想像が確信に変わっていた。裕美子はマゾだ。そしてそのM性は類い稀なほどに強い。俺は裕美子を奴隷にすることをもう決めていた。
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