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Moon night🌙Marmaid〜男装の美少女マリナ
第3章 エドワード
エドワードの献身的な看護によって熱も下がり、少しずつ体力を回復したマリナは相変わらずエドワードをお兄様と呼んで慕ってくれるが、以前とは違って何処か余所余所しい
以前はエドワードがいないと一人では眠れなかったマリナ
なのに、最近のマリナは一人で大丈夫だからと、与えられている部屋のベッドで一人で眠るようになった
それでも心配なエドワードがマリナの部屋を覗いてみると、相変わらずうなされているようではあったが、それでもエドワードのベッドに潜り込んでくることはなくなった
入浴も、自分のことは一人でできるから、と言ってエドワードを締め出して、一緒に入らなくなってしまった
一体どうしたというのだろう
皆目見当が付かない
それとも、エドワードが気付かないうちに成長したのか
何時ものようにサンルームで読書するエドワードの横にちょこんと座り、好物のフルーツの盛り合わせを前に小さな口で小動物のようにモグモグと咀嚼するマリナ
こうしていると以前と変わらないように見えるが
以前のようにマリナから無条件に甘えて欲しいエドワードは以前にも増してマリナを甘やかし始める
珍しい輸入菓子を取り寄せてみたり、おもちゃや人形を買い与えてみるが反応はイマイチだった
マリナの気を引くためにあの手この手でご機嫌を取ろうとするエドワード
これまで他人から気を引こうとされたことは幾度とあったが、自分から他人の気を引こうとしたことは一度も無かった
病み上がりだからと、エドワードはマリナに屋敷の外に出ることを禁じていた
海風は身体に障るからと、大好きなプライベートビーチへ出ることさえ禁止されてしまったマリナはある日、エドワードの目を盗んでこっそり抜け出してしまう
こっそり抜け出したつもりでいたマリナだったが、エドワードは欺けてもセバスチャンにはそうはいかなかった
久しぶりにビーチへと出たマリナを目ざとく追いかけ大はしゃぎするセバスチャン
騒ぎを聞き付けたオリバーに早くベッドへ戻るよう促されるが遅かった
大急ぎで屋敷へ戻ったものの、エドワードに見つかってしまった