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Moon night🌙Marmaid〜男装の美少女マリナ
第1章 謎の美少年
月の綺麗な真夏の夜、とある貴族が所有する海辺のコテージでガーデンパーティーが開かれていた
パーティーの開始を告げるように豪華な花火が次から次へと上がっている
「エドワード様、そろそろお支度を」
「ん、わかった」
青年貴族エドワードは幼少の頃から専属の世話係兼執事として仕えているオリバーに声を掛けられ渋々支度を始めるが、パーティーというものが好きになれなかった
衰退する貴族も多い中、大きな造船所の他にも幾つか会社を所有する父の周りには常に金持ちの取り巻き連中が群がっていた
父と共にパーティに招かれた客一人一人に一通り慣例通りの挨拶を済ませると、早々にこっそりパーティーを抜け出すのが常であった
今夜も夏の間だけ過ごす屋敷として父がコテージごと買い上げたプライベートビーチへと、そそくさと逃げ出したエドワード
遠くでパーティー会場から流れてくるカルテットが優雅に鳴っている
煌々と点灯するコテージの灯りが海辺に反射している
パーティーの喧騒から逃れ、ほっと一息いたエドワードは月の光に反射してキラキラと輝くものを見付け、近づき驚いた
天使?
なんと、砂浜にうつ伏せに倒れている美少年の横顔が月明かりに照らされている
慌ててコテージへ戻ると、父のお抱え主治医をこっそり呼び出してオリバーと共にビーチへと引き返した
「なんと… こりゃ、たまげた」
ほろ酔い加減の主治医は驚きながらも反射的に仕事に取り掛かる
「息がありますがこのままでは… コテージに運びましょう」
「ああ、そうしてくれ」
オリバーに言い付けて、普段は使用していないエドワードの続き部屋に運び込んだ
「命に別状はありませんが、このままでは身体が冷え切ってしまう」
一通り診察を終えた主治医が診断をつけると、エドワードは赤ん坊の頃から身の回りの世話をしてくれている乳母に風呂の支度を言い付けた
オリバーも乳母をも下がらせ、人払いしたエドワードは少年の衣服を丁寧に脱がせていく
普段、自分の身の回りでさえ他人任せのエドワードが自ら少年を温かい風呂に入れ、洗い上げようというのだ