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Moon night🌙Marmaid〜男装の美少女マリナ
第2章 謎の美少女
翌朝、何時もより早く目覚めたエドワード
昨晩とは見違えるようにすっかり小綺麗になり、幼児のようにスヤスヤと眠る少女の顔を覗き込み満足気に微笑むと、額にかかるブロンドの巻き毛を一撫でしてから乳母に言い付けて用意させた簡単な食事の入った籠をサイドテーブルにそっと置いて部屋を後にした
昼下がりは決まってお気に入りのエドワード専用サンルームで過ごす
この日も午後のお茶の時間をサンルームで優雅に過ごしていたエドワードは少女の部屋に花でも飾ってやろうと思い付いた
素敵な思い付きにご機嫌で鼻歌混じりに薔薇を摘んでいるところへオリバーが告げた
「エドワード様、少年が目を覚まされました」
オリバーがドアを開けると、少女はベッドの中に身体を沈めたまま目を瞑っていた
驚かさないよう静かに近づくと、そっとベッドに腰掛けて少女の顔を覗き込むエドワード
本当に
天使のようだ
少女は僅かに身じろぎしてそっと目を開けた
薄く透けるようなサファイアブルーとエメラルドグリーンに目を奪われる
オッドアイだ
「目が覚めたんだね… 良かった」
「ありがとうございます… あの、こちらへはどなたかにお招きいただいたのでしょうか」
顔を近づけていなければ聞き取れないほどの少女の消え入るようなか細い言葉にエドワードとオリバーは顔を見合わせた