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Moon night🌙Marmaid〜男装の美少女マリナ
第2章 謎の美少女
いつまでも名前がないままでは可哀想だと、エドワードは少女をマリナと呼ぶことにした
エドワードの献身的な看護の甲斐あってか、少しずつ回復したマリナは動けるようになると、すぐにエドワードの愛犬、セバスチャンと仲良しになった
マリナはエドワードが選んだ凝った装飾の豪華なドレスより、動きやすいから、と言って簡素な男装を好んだ
確かにマリナの言う通り、ドレスとは違って動き易く実用的でセバスチャンとじゃれ合い浜辺を駆け回るにも最適だった
男装のマリナは未発達な身体と元々の快活な性格も手伝い、どう見ても少年にしか見えなかった
エドワードは苦笑しながらもマリナの好きな様にさせていた
そのうちエドワードも面白がって、男装のマリナをマーレと呼んで外へ連れ回すようになり、取り巻き達には従兄弟として紹介した
天気の良い日は決まってプライベートビーチで転げ回り、砂まみれになって遊び疲れてコテージに帰って来るマリナとセバスチャンを丁寧に洗ってやるエドワード
エドワードはまるで仔犬を飼い始めた時の飼い主のように、マリナから片時も離れず甲斐甲斐しく、それは乳母とオリバーも苦笑するほどに世話を焼いた
マリナの方もまたエドワードを兄と慕い、すっかり頼り切っていた
そんなマリナのあどけない無邪気さや素直な従順さにすっかり心を奪われ、エドワードの潜在的嗜好心にじりじりと火が点いていることにエドワード自身、気付いていなかった
と同時に年齢も身元も不明な少年のようなマリナに惹かれ始めている自身の気持ちを抑えきれなくなっている事実に戸惑いを隠せないでいた
夏も終わりに近付き秋の気配が漂うと、エドワードの父は本宅へと拠点を戻すため帰って行ったがエドワードはマリナと暫くコテージに残ることにした
そんなある日
いつものようにセバスチャンとプライベートビーチに出て来たマリナが外の空気を思いきり吸い込んで潮の香りを堪能しているところへオリバーが声をかけた
「マリナ様、エドワード様が書斎でお待ちです」
「はーい… セバスチャン、おいで」
夏も終わりを告げようとしていた