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Moon night🌙Marmaid〜男装の美少女マリナ
第2章 謎の美少女

エドワードがマリナを見付けた夜、先のコテージでのガーデンパーティーはエドワードの社交界デビューのお披露目も兼ねて、正式な社交界デビューの前に親しい者たちを招待して父が祝ってくれたものだった
それは同時に父の取り巻き連中への牽制でもあった

パーティの直後、エドワードは成人を迎えていた

エレメンタリースクールを飛び級して19歳で法学部を卒業したエドワードは既に弁護士資格を取得し、父の会社の顧問弁護士の一人として働き始めていた

エドワードが社交界デビューすると、家柄は立派でも金銭面では行き詰まり傾いた貴族の娘やその親族達、エドワードの美貌に一目惚れした金持ちの娘やエドワードの家柄を喉から手が出るほど欲しいその親達、果ては未亡人や既婚の有閑マダムまでもが、あからさまなアプローチを仕掛けてきた

後を絶たないあからさまなアプローチに当のエドワードは辟易していた




「マリナ、ただいま」

「お帰りなさい、お兄様」

「まだ寝ていなかったのか?」

「だって、マリナ一人で眠れないもの」

「そうだったね、遅くなって悪かった… シャワーを浴びて来るから先にベッドに入っていなさい」

「はーい」





エドワードがシャワーを終えベッドルームへ行くと、マリナは分厚い本を抱きかかえたまま、スヤスヤと眠ってしまっていた

マリナの一番のお気に入りは就寝前にエドワードから本を読み聞かせてもらうことだった

マリナは毎晩のように酷くうなされては目が覚めると、決まってエドワードの部屋へやって来てベッドに潜り込んでくる
そんな時、本を読み聞かせてやっているうちにいつの間にか自然と毎日の日課となってしまっていた

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