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Moon night🌙Marmaid〜男装の美少女マリナ
第2章 謎の美少女

「マリナ、実は君の伯父上を名乗る方が現れた」
「私の…伯父様?」
「ああ、そうだ」
エドワードはできればマリナをこのまま手元に置いておきたかったが、マリナの伯父と名乗る男に出生証明書まで持ち出されては黙って引き下がるしか無かった
その出生証明も本当にマリナの物なのか怪しいものだったが、わざわざ探し当てて訪ねて来て、実の伯父だと名乗り出られては血縁者でもなんでも無いエドワードには拒否する権利も何も無かった
未成年であろうマリナ自身も拒否することはできないのだから
未だ記憶の戻らないマリナの意思とは関係無く、マリナは伯父に引き取られて行った
マリナを手放したエドワードは居ても立っても居られず、オリバーに言い付けてマリナの様子をこっそり見に行かせた
驚いたことにマリナは実の伯父からまるで使用人のような扱いを受けていた
身につけている衣服はどう見てもボロボロのお下がりで、与えられた部屋は狭い納戸の様な所だった
見兼ねたエドワードがマリナを引き取りたいと申し出ると、マリナの伯父は身請け金として莫大な金額を要求して来た
エドワードはマリナを正式に引き取ることにした
後に聞いた噂ではマリナの伯父は下層貴族の出で、借金で相当苦しんでいた様で社交界では有名だったらしい
そんな所にマリナをやったままでいたらどの道、早かれ遅かれ適当な金銭で何処かに売られてしまっていたであろう

