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愛姫のあぶない投資性活
第10章 束の間の息抜き〜避暑地の温泉旅行〜
7月の最終週末、春日君と私は、山形新幹線のシートで、久しぶりの旅の興奮を押さえ切れず、朝からはしゃいでいた。
目指すのは日本海に面した。眺望が絶景の温泉。それほど有名ではないが、夕日の沈む日本海を堪能しながら、温泉と海の幸を味わえることでは、人気のある温泉だ。
難点は東京から新幹線利用でも4時間近くかかること。特に新庄からは、在来線を乗り継ぐ必要がありアクセスはあまりよくなかったのだが、私は特に、海の幸と温泉に惹かれて、そこでは最高級のデザイナーズホテルをネットで予約していた。しかも、オーシャンビューのプライベート露天風呂がある、ホテルの中でも1番人気の部屋の予約が奇跡的に取れたのはラッキーだった。
「僕、温泉旅行なんて、本当に久しぶりです。何年ぶりかなぁ?」
「私も会社にいた頃、社内のグループで関東の近場の温泉旅行っていうのはあったけど、箱根とか伊豆とか草津とか、アクセスのいい近場ばっかりだったかなぁ。」
「日本海の夕日なんて、季節もいいし、夏の日本海は穏やかで、あとは向こうのお天気次第ですね。」
「ネットでは、今日も明日も晴れマークだったから大丈夫みたい。」
「愛姫さん…僕たちって、普通のカップルに見えますよね。彼氏と彼女…。」
春日君は言葉を噛み締めるように言った。
「普通って?そんな言い方すると、私たちが普通じゃないみたいじゃない?全く自然な、ありふれたカップルでしょ。」
私はそう言って春日君の手を握った。春日君も握り帰してくる。
「そうですよね…。なんか彼女いない歴24年の僕には信じられないなぁ…。」
「それは、春日君が今まで彼女を作ろうとしなかっただけでしょ?春日君なら、別に見た目もかわいい系だし、なによりT大生っていうブランドがあるし、その気になれば作れたでしょ?」
「そうかなぁ…?なんか…自分からは女の子に声を掛けることができなくて…ここまで来ちゃいましたねぇ。…それに、彼女を作るより夢中になれるものがたくさんあって…。」
私たちは、取り留めもない会話を続けながら、車窓に映し出された景色を楽しんだ。
私にとっては、それだけで、日々の神経戦のようなデイトレードから解放される癒しになった。
目指すのは日本海に面した。眺望が絶景の温泉。それほど有名ではないが、夕日の沈む日本海を堪能しながら、温泉と海の幸を味わえることでは、人気のある温泉だ。
難点は東京から新幹線利用でも4時間近くかかること。特に新庄からは、在来線を乗り継ぐ必要がありアクセスはあまりよくなかったのだが、私は特に、海の幸と温泉に惹かれて、そこでは最高級のデザイナーズホテルをネットで予約していた。しかも、オーシャンビューのプライベート露天風呂がある、ホテルの中でも1番人気の部屋の予約が奇跡的に取れたのはラッキーだった。
「僕、温泉旅行なんて、本当に久しぶりです。何年ぶりかなぁ?」
「私も会社にいた頃、社内のグループで関東の近場の温泉旅行っていうのはあったけど、箱根とか伊豆とか草津とか、アクセスのいい近場ばっかりだったかなぁ。」
「日本海の夕日なんて、季節もいいし、夏の日本海は穏やかで、あとは向こうのお天気次第ですね。」
「ネットでは、今日も明日も晴れマークだったから大丈夫みたい。」
「愛姫さん…僕たちって、普通のカップルに見えますよね。彼氏と彼女…。」
春日君は言葉を噛み締めるように言った。
「普通って?そんな言い方すると、私たちが普通じゃないみたいじゃない?全く自然な、ありふれたカップルでしょ。」
私はそう言って春日君の手を握った。春日君も握り帰してくる。
「そうですよね…。なんか彼女いない歴24年の僕には信じられないなぁ…。」
「それは、春日君が今まで彼女を作ろうとしなかっただけでしょ?春日君なら、別に見た目もかわいい系だし、なによりT大生っていうブランドがあるし、その気になれば作れたでしょ?」
「そうかなぁ…?なんか…自分からは女の子に声を掛けることができなくて…ここまで来ちゃいましたねぇ。…それに、彼女を作るより夢中になれるものがたくさんあって…。」
私たちは、取り留めもない会話を続けながら、車窓に映し出された景色を楽しんだ。
私にとっては、それだけで、日々の神経戦のようなデイトレードから解放される癒しになった。