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愛姫のあぶない投資性活
第10章 束の間の息抜き〜避暑地の温泉旅行〜
風が少し強くなった。涼風だったが、湯舟から出ると少し湯冷めしそうだったので、私たちは早々に身体を拭いて、浴衣に着替えた。
春日君の男性用はどこにでもある温泉旅館やホテルの浴衣に、夏物の薄い丹前。私の女性用は、外出着にもなる、お祭りなんかで着る浴衣。帯も結びがつけられる。この女性専用浴衣のサービスがこのホテルの売りでもあった。私が浴衣姿になり髪を上げると、
「愛姫さんの浴衣姿すごく似合ってますよ。やっぱり女の子の浴衣姿って夏を感じさせますよねぇ。」
「じゃあ、今度、隅田川の花火大会とか、二人で浴衣着てデートする?」
「それすごく憧れるけど、ちょっと電車に乗って行くまで、恥ずかしいかなぁ…。」
「そんなことないよぅ。じゃあ、東京に帰ったら、浴衣買いに行こうね。春日君には私がちゃんと着せてあげるから。履物も買わなきゃねぇ。」
私と春日君との関係は、投資のために必要な、ただそれだけのためのものだと割り切って、私から誘惑して始まったものだった。
しかし、今、私は普通のカップルのように旅行とSEXを楽しんでいる。それ以外の利害関係を意識しているのは、私だけで、春日君はなんとなく曖昧な感覚をではあるものの、私に恋愛感情を抱いているようだ。
自分から誘惑し利用しておきながら、今、利害を必要としない男女の関係になって、私も春日君に求めるものが変化しつつあることに気づき始めていた。
(私…春日君のこと…好きだったのかも…だから初デートで誘惑しちゃったし、SEXもできたんじゃないかなぁ…。)
私はしきりに内省していた。それは、慌ただしい日常から乖離した、旅という時間がそうしてくれたのかも知れなかった。
夕食の時間が迫っていたので、私たちは海の幸と、湯上がりのビール、美味しい地酒に舌鼓を打ちながら、美食を楽しんだ。
夕食は区切られた大広間に、それぞれ3〜4卓の座卓が置かれ、客のグループごとに、案内される仕組みだった。私たちに遅れて、同じ部屋に、4人家連れ、熟年夫婦、そして私たちだった。
夕食を終えて、部屋に戻る時、少し嬉しそうに春日君が言った。
「僕たち、少なくとも恋人同士のカップルか新婚カップルに見られてましたよね?」
春日君の男性用はどこにでもある温泉旅館やホテルの浴衣に、夏物の薄い丹前。私の女性用は、外出着にもなる、お祭りなんかで着る浴衣。帯も結びがつけられる。この女性専用浴衣のサービスがこのホテルの売りでもあった。私が浴衣姿になり髪を上げると、
「愛姫さんの浴衣姿すごく似合ってますよ。やっぱり女の子の浴衣姿って夏を感じさせますよねぇ。」
「じゃあ、今度、隅田川の花火大会とか、二人で浴衣着てデートする?」
「それすごく憧れるけど、ちょっと電車に乗って行くまで、恥ずかしいかなぁ…。」
「そんなことないよぅ。じゃあ、東京に帰ったら、浴衣買いに行こうね。春日君には私がちゃんと着せてあげるから。履物も買わなきゃねぇ。」
私と春日君との関係は、投資のために必要な、ただそれだけのためのものだと割り切って、私から誘惑して始まったものだった。
しかし、今、私は普通のカップルのように旅行とSEXを楽しんでいる。それ以外の利害関係を意識しているのは、私だけで、春日君はなんとなく曖昧な感覚をではあるものの、私に恋愛感情を抱いているようだ。
自分から誘惑し利用しておきながら、今、利害を必要としない男女の関係になって、私も春日君に求めるものが変化しつつあることに気づき始めていた。
(私…春日君のこと…好きだったのかも…だから初デートで誘惑しちゃったし、SEXもできたんじゃないかなぁ…。)
私はしきりに内省していた。それは、慌ただしい日常から乖離した、旅という時間がそうしてくれたのかも知れなかった。
夕食の時間が迫っていたので、私たちは海の幸と、湯上がりのビール、美味しい地酒に舌鼓を打ちながら、美食を楽しんだ。
夕食は区切られた大広間に、それぞれ3〜4卓の座卓が置かれ、客のグループごとに、案内される仕組みだった。私たちに遅れて、同じ部屋に、4人家連れ、熟年夫婦、そして私たちだった。
夕食を終えて、部屋に戻る時、少し嬉しそうに春日君が言った。
「僕たち、少なくとも恋人同士のカップルか新婚カップルに見られてましたよね?」