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愛姫のあぶない投資性活
第10章 束の間の息抜き〜避暑地の温泉旅行〜
(恋人同士…新婚カップル…今の私には縁遠い言葉だなぁ…麻木さんとは擬似恋愛のセフレ関係。春日君とだって今のところセフレの域を出てないし…そこから純愛に変わるなんて考えられない…。)

「そうかなぁ?まあ春日君と私なら歳の差4歳だし、私が年上彼女かなぁ…。」

私は春日君に言われたことには、まんざらでもなかったが、なんとなく違和感を感じていた。やっぱり春日君とはSEXでしか繋がっていないように感じた。仮に春日君が私に恋愛感情を抱いてくれても、そこに素直に同調できない自分を感じていた。春日君のこと、嫌いではない。むしろ彼のピュアな優しさに心時めく時もあったのだが…。

私たちは、部屋に戻ると、大浴場に行く支度をして、最上階に向かい、男女に分かれる入口で、部屋に戻る、およその時間を約束して、早く上がった方が、大浴場の入口手間のラウンジで待つことにして別れた。

大浴場は、ガラス張りで日本海の大パノラマを観賞しながら入浴できるようになっていたが、もう景色は真っ暗だった。わずかに月明に照らされた、日本海の波が見えるだけだった。私はキラキラと光る波と、遠くを航行する船の信号灯らしき光を見つめていた。日没後の大浴場は人気も疎らだった。

シャンプーをして髪を乾かしてから、大浴場の女湯の暖簾をくぐると、その先の畳敷きの腰掛けに、春日君が座って待っていた。

「待ったぁ?ごめんね。」

「いいえ大丈夫ですよ。たいてい女性の方が長いから…そう思って、サウナなんかに入ってましたけど、僕サウナは5分持てばいいくらいで、出て来ちゃいました。」

「じゃお部屋に戻りましょ。」


私は春日君の手を握って、二人で手を繋ぎながら部屋に戻った。春日君は照れ臭そうにしていたが、表情の奥には満足感も見て取れた。

(なんの計算もなく、こうして寄り添っているだけで幸せを感じたら…それが純愛って言えるのかなぁ…。)

私の感情はいつまでも、複雑で混沌としていた。

「ねぇ、自販機でビール買っていく?ちょっとだけ飲みたくなぁい?」

「そうですね。風呂上がりだから、喉は渇いてますねぇ。」

「じゃ、二人で500を1缶だけ買っていこうか?食事の時、瓶1本と、日本酒飲んじゃったもんね。」
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