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愛姫のあぶない投資性活
第12章 第三の男現わる〜そしてSM入門へ〜
私はどういうメールの返信をしておこうかかなり迷った。簡単に「食事くらい…」という感覚で、誘いに乗るのは軽過ぎるし、まったく興味がない訳でもない。むしろ村中さんという人がどんな男性なのかということには関心があった。それに私にともかくも、なんらかの関心を抱いているのも、まんざらではない気もした。ちょっと下心が見えるのも、私に魅力を感じているからだ。また、麻木さんには内緒にしてほしいという理由も知りたい。

そこで私は、探りを入れるような、それでいて思わせぶりなメールの返信をした。なにより自分のどんなところに興味を持って、誘ってきたのか、それを知りたい。ただ無愛想に無視するのは、面白くないと考えた。場合によっては『利用価値』のある『使える男』かもしれない。

「お誘いありがとうございます。ご存じだとは思いますが、私の仕事はマーケットが開いている間は忙しくしています。お食事なら、土日の昼か夜しか都合がつきません。私に何かお話したいことでもあるんですか?投資に関してなら、ご相談に乗れますが、それは内容にもよります。白石愛姫−END−」

すぐに、返信が来た。

「早速のご返信ありがとうございます。土日は仕事なので、やはり夕食しかお誘いできません。それでよければ、白石さんのご都合にこちらが合わせます。投資のお話にも、起業のお話にも興味があります。村中孝治−END−」

メールだけでは、真意は読めなかった。暇つぶしに逢ってみようかな。という気持ちも湧いて来た。誘いに乗ってみるのも悪くない。でも『利用価値』のある『使える男』かは、まだわかない。麻木さんと同じく1級建築士だから、将来は独立を考えているのは間違いないだろう。そうでなければ、大手の住宅メーカーを辞めて、給料を下げてまで、麻木さんの会社で設計の仕事をするメリットはない。麻木さんが、かつてそうだったように。

私はもう一度返信した。誘いに乗って見ようと思い始めたからだ。

「今週末ならOKです。場所と時間を教えてください。白石愛姫−END−」

また、すぐに返信があった。

「それでは、土曜日の夕方7時にS駅東口A前でいかがでしょうか?」

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