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愛姫のあぶない投資性活
第17章 純愛の芽生え〜プラトニックラブへの再スタート〜
それから数週間。私は禁欲に徹して、デイトレードに力を注いだ。

何回か、麻木さんからお誘いのメールが来た。私は、忙しいのと体調も優れないと嘘をついて、お誘いを断り続けた。

一方、村中さんとの毎夕のLINEのやりとりは毎日続いた。

SNSで会話して、繋がっているだけなのに私の心は充実していた。私の心が村中さんと繋がっていく分、私の肉体は麻木さんと肉体で繋がることを避けようとしていたのかもしれない。

私は村中さんに逢いたかった。

でも村中さんは、決して無理をしなかった。彼はいつ逢えるかと私に毎日問いかけるものの、私が週末になってLINEの会話の中で疲れを見せると、彼は遠慮したのか、日曜日の夕食デートを見送った。

私が謝罪すると、彼は「また来週があるから。」と言った。私はそんな村中さんの優しさに触れて、ますます彼への情愛が募った。

ある日の夕方、それは水曜日のことだった。

私が、毎夕の定期便になった交換日記のような村中さんとのLINEを終え、夕食を済ませて日経CS放送を見ていると、麻木さんから急に電話が入った。私は嫌な予感がして通話モードにした。

「もしもし…。麻木さん?」

「うん。愛姫ちゃん、久しぶり。今何してた?」

「明日の準備で、CS見てるけど…。」

「このところずーっと、やけに冷たいね。愛姫ちゃん…。」

「別に冷たくなんかしてないでしょ?私だって麻木さん並に忙しいのよ。」

「愛姫ちゃん。僕が出資してるの忘れたの?」

「それどういう意味?忘れてなんかないわ。この前、元本に5%の金利付けて払い戻し可能だって言ったでしょ。まだ1年もたってないから、5%だって上出来でしょ?それをまだいいって言ったのは麻木さんよ。なんなら、明日のお昼に入金するわよ。」

「ごめん。ごめん。そんなことで言った訳じゃないよ。今の発言は撤回する。」

「麻木さん…。」

「何?愛姫ちゃん。」

「私のこと抱きたいんでしょ?そう言えばいいのよ。ヤリたいって。」

「何でそんなに突っかかるんだよ。愛姫ちゃんらしくないな。」

「私、明日の準備でいろいろとまだすることあるから電話切るわよ。」

「待ってくれよ。愛姫ちゃん。今。マンションの下にいるんだ。今から部屋に行っていい?」

麻木さんは間違いなく我慢できなくなって、私のところに押しかけて来たのだ。
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