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愛姫のあぶない投資性活
第8章 魔性の女に貢ぐ男たち Ⅱ
待ち時間がとても長く感じられた。私たちがフロントの前の籐椅子のソファーに座って待っている間に、何組かのカップルが入って来て、暗いパネルを見て、引き返して行った。

約1時間待って、急にチケット番号をアナウンスされるカップルが増えて、暗いフットランプだけが燈された、ウエイティングルームから出て、空室になった部屋のボタンを押し、エレベーターに消えて行った。

私たちは、空いているウエイティングルームをそうっと覗いてから、ラブソファーに腰を落ち着けた。

「テレビつける?」

「愛姫さんに任せます。」

私たちが待っている間、また何組かのカップルが呼び出しのアナウンスを受けて、足音だけたてて、パネルに向かって行った。その度にエレベーターの稼動音が響いてきた。

「スタッフの人たち、頑張っているんですね。」

「大変よね。清掃して、ベッドメイキングして、アメニティー揃えて、バスルームには水滴一つ残さず拭き取って…。私には、他人がSEXした後始末なんか無理っ…ラブホの仕事は無理っ。」
「僕はなんか興味あります。掃除は嫌いじゃないし、他人のSEXした後のベッドには、何か人間模様が表れていそうで…。」

「でも…自分の部屋とかお風呂やトイレを掃除するのとは違うのよ。汚くしていくカップルもいそうだし、回転率上げるために、きっと一部屋何分で清掃して準備できるかで、時給が決まりそう。大変な肉体労働でしょう。」

「そうですね。僕…体力もないし、慌ただしく身体を動かす仕事は無理かなぁ…。」

「春日君は完全な頭脳労働向きでしょう。体力はあると思うわ。この前なんか凄かったもん。」

「やめてください…体力と精力は違いますよ。基礎体力は必要だけど…。」

そんな会話を暗闇の中で、テレビの音量を下げ、つけているだけで見もせずに続けていると、

『あぁぁん…。』

と、明らかに、押し殺しきれずに漏れた、妖艶な声が、ちらっと聞こえた。待ちきれず、ウエイティングルームでイチャイチャし出したカップルがいるようだ。

「私たちも始めちゃう?」

「えっ、ここではマズいですよっ。」

「冗談、冗談。楽しみは後回しにした方が、待っている分、充実するもんね。」
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